パンダが東アジアでそうしたライフスタイルに入ったのは50万~20万年前。人間(ホモ・サピエンス)が登場するより前だ。パンダは人間の登場以前からすでにパンダだったのだ。そのかわいさにかなうはずがない。

 竹林のなかでの争わない、平和な悠々とした暮らしと、そこで培われた個性──。人間をとらえて離さない最大の魅力はそこにあるのだろう。同時に、その存続を脅かす最大の存在が人間であることも私たちは忘れてはいけない。(編集部・石田かおる)

AERA 2018年1月1-8日合併号