「資金はどうするのですか」

 と新聞記者に聞かれ、「それを考えたら出ていないよ」と答えるしかなかった。立候補の表明は公示5日前。「どれくらいかかるの?」と市民連合の人に聞いたのはその後だ。

「1千万円くらいですかね」。みな選挙の素人。カネのことは後で考えることにした。

 真っ先に必要となったのが600万円(選挙区300万円、比例区で300万円)の供託金だ。立憲民主党本部に掛け合い、比例区は党が負担することになった。選挙区はこちら持ち。預金を取り崩した。得票が有効投票数の10%を超えないと戻ってこない。供託金は挑戦する市民に立ちはだかる高い壁だと感じた。

 市民連合の仲介で5党(共産、社民、みどり、新社会、市民ネットワークちば)共同候補となった。共産党は予定した候補を下ろし、民進党は県議、市議が応援に駆け付けた。(ジャーナリスト・山田厚史)

AERA 2017年12月25日号より抜粋