綾小路きみまろさん(右):make up 石津千恵(メーキャップルーム)/香取慎吾さん:hair & make up 石崎達也(STRIPE)、styling 黒澤彰乃(撮影/写真部・東川哲也)
綾小路きみまろさん(右):make up 石津千恵(メーキャップルーム)/香取慎吾さん:hair & make up 石崎達也(STRIPE)、styling 黒澤彰乃(撮影/写真部・東川哲也)
対談前に、香取さんの絵が展示されていた東京・六本木のカルティエに立ち寄り、おそろいの腕時計を買ってきた綾小路さん。これには香取さんも「えーっ!」(撮影/写真部・東川哲也)
対談前に、香取さんの絵が展示されていた東京・六本木のカルティエに立ち寄り、おそろいの腕時計を買ってきた綾小路さん。これには香取さんも「えーっ!」(撮影/写真部・東川哲也)
綾小路きみまろ(あやのこうじ・きみまろ)/1950年生まれ。漫談家。演歌歌手の専属司会者などを経て2002年に毒舌漫談でブレーク。近著に『しょせん幸せなんて、自己申告。』(朝日新聞出版)(撮影/写真部・東川哲也)
綾小路きみまろ(あやのこうじ・きみまろ)/1950年生まれ。漫談家。演歌歌手の専属司会者などを経て2002年に毒舌漫談でブレーク。近著に『しょせん幸せなんて、自己申告。』(朝日新聞出版)(撮影/写真部・東川哲也)
香取慎吾(かとり・しんご)/1977年生まれ。88~2016年はSMAPのメンバーとして活動。17年に新たな活動をスタート。11月にAbemaTVで「72時間ホンネテレビ」を成功させた(撮影/写真部・東川哲也)
香取慎吾(かとり・しんご)/1977年生まれ。88~2016年はSMAPのメンバーとして活動。17年に新たな活動をスタート。11月にAbemaTVで「72時間ホンネテレビ」を成功させた(撮影/写真部・東川哲也)

 今年、メジャーデビュー15周年を迎えた綾小路きみまろさんと、新たなスタートを切った香取慎吾さん。「唯一の師匠」「唯一の弟子」と認め合う二人が、新しい挑戦に秘めた思いを語り合った。

【写真】おそろいの腕時計をつけた2人はこちら

綾小路きみまろ:香取さんと「師弟関係」になったきっかけは、5年前の番組の企画だったね。その時に私の公演にも出て、一緒に漫談もやってくれましたよね。

香取慎吾:僕は師匠の「一番弟子」を名乗らせてもらって、「師匠」って呼ばせてもらえるのがすごくうれしいんですよ。
 みなさん、仕事でご一緒する芸人の方を師匠と呼ぶことがあるじゃないですか。でも僕は、呼べないんです。弟子でもないのに「師匠」と呼ぶのは、どこか失礼な気がして。それでいうと、きみまろ師匠のことは心置きなく「師匠!」と呼べて、気持ちいい。

綾小路:私は芸人だけど、大きな会社に属しているわけではなく、ずっと一匹おおかみでやってきました。だから、話しやすい部分があるのかもね。

 私も香取さんと出会って、活躍する姿を見せてもらって、尊敬する部分がたくさんあります。だって、10万人くらいのお客さんの前で歌って踊って盛り上げるなんて、とんでもないことですよ。やっぱりスーパースターだよね。

「中高年のアイドル」なんて言われてるけど、私はあなたみたいな「出待ち」なんて一人もいないから。公演が終わると、
「いけないっ、スーパーの特売の時間だわ!」って全員サーッと帰っていくから。

香取:コンサートなんかやるときは、衣装や照明、花火みたいな特殊効果とか、いろんな仕掛けがあってステージが作られてるんですけど、師匠の場合は、本当に一人ですもんね。広いステージの上に、水1杯と、マイク1本だけしかない。真剣勝負の逃げ場のない舞台に立ってお客さんを笑わせる姿は、やっぱりかっこいいです。

 師匠が書いた『しょせん幸せなんて、自己申告。』に、「『できるかできないか』ではありません。『やるかやらないか』です」という言葉がありますよね。これ、胸に響きました。

綾小路:やっぱり前に進まないと足跡は残らないから。私は22歳のときに芸人の世界に入って、それから30年間もずっと売れないまま潜伏生活を送っていたんだけど、やらないで後悔するより、やって失敗して反省したほうがいいと、ずっと思って生きてきました。

香取:わかります。できるかできないかで悩む時間って、人生にいっぱいあるじゃないですか。でもそれが身になることって、あんまりないんですよね。やってみてうまくいったとか、失敗したとか、その経験のほうがいまにつながっているんです。

次のページ