「親が認知症になった場合、子どもの一人が財産管理をすることが多いが、どうしても親と自分の資産を混同し、全ては自分の資産だと錯覚して使い込んでしまうケースは確かに多い」

 実際に長男は、父親の生活に関わる費用を毎回、父親の口座から引き出すのは面倒なので、まとまった額を自分の口座に移していた。

 使い道は医療費や薬代、食費の一部など、全ては父親のためだったが、父親の介護日誌などもつけていなかったので、姉が主張する「資産の不正利用」がなかったことを証明するのは、なかなか困難だった。

 姉は、親戚や知り合いに「長男が父親の資産を違法に使い込んでいた」と言いふらし、長男夫婦は名誉毀損で姉を提訴。相続問題が一転して損害賠償請求の訴訟に発展し、今もまだ続いている。

しげ「なんや、ドロドロやな。姉弟で恐ろしい話や」

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