初のソロアルバム「Best Regards!」が12月20日に発売。派生ユニットの「渡り廊下走り隊」時代も含めてすべてのソロ曲を収録し、歌手・渡辺麻友の軌跡を楽しめる。一方、16年に米ロサンゼルスで撮影した特典映像には、王道アイドルからほど遠い“塩対応”まゆゆの姿も。

 見知らぬ土地で、危機迫る状況だったので。必死で、ついあんな感じになっちゃいました。素に近いものがあるかもしれません。

 アルバムには古い曲も最新の曲も入っています。10代の幼い感じから、歌声の変化を楽しんでもらえるんじゃないかと思います。中でも、ダブル主演したドラマ「戦う!書店ガール」(フジテレビ系)の主題歌にもなった「出逢いの続き」は大好きな曲です。ドラマを深夜に書店で撮影して、朝からはAKB48の仕事をして……と大変だったけどすごく成長できた時期だったなと思い出します。

──今後はどんな活動に力を入れたいですか。

 お芝居と歌を頑張りたいです。聴いていただく方の魂に響くような、より深みのある歌をうたえるようになりたい。

 肩書ですか? AKB48をやめるので「アイドル」ではないです。でも「女優」というのもなんだか違うような。そんな力量は兼ね備えていないので、自分からは言えないです。ひどい芝居、ど下手ですので。修業に行きたいです。

 まずは豊富な人生経験でしょうか。AKB48にいたので、人間らしい生き方をしてきていないんです。批判しているわけではなく、私自身がAKB48として、アイドルとして生きていくことを選んだので、そうすると人と接することがおろそかになったり、遮断せざるを得なかったりして……。自分の意思でそうしてきたので。うーん、難しいですね。これは当事者にしかわからない感覚で、他人にはとても理解してもらえないですし、言葉では説明しようもないんですけど。

 だから私の感覚では、卒業というより、人間1年目なんです。メンバー、スタッフさん、ファンのみなさん、いつも大勢の人と接してきましたけど、それはアイドルとして。そうじゃなく、これからは人間として人と向き合う時間を増やしたい。それをお芝居に生かしていきたいなと思っています。これまでは等身大の役が多かったので、サイコパスとか全く正反対の、振り切れた役もやってみたいです。

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