宮原知子は「ここで悔しい思いができてよかった」とグランプリファイナルを振り返った (c)朝日新聞社
宮原知子は「ここで悔しい思いができてよかった」とグランプリファイナルを振り返った (c)朝日新聞社
樋口新葉は「緊張して身体がうごかなかった」とグランプリファイナルを振り返った (c)朝日新聞社
樋口新葉は「緊張して身体がうごかなかった」とグランプリファイナルを振り返った (c)朝日新聞社

 日本女子フィギュアの平昌五輪代表がいよいよ決まる。今シーズン前半戦の山場、グランプリファイナルで宮原知子と樋口新葉はどんなアピールができたのか。

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 2月9日に開幕する平昌五輪。フィギュア日本女子の代表は2枠だ。1人は12月21日からの全日本選手権の優勝者。もう1人は過去の成績から総合的に判断して決定される。グランプリ(GP)シリーズは五輪出場への重要なアピールの場だった。

 わずかにリードしたのは、GPファイナルに進出した宮原知子(19)と樋口新葉(16)だろう。順位こそ5位と6位で「決定打」にはならなかったが、シーズン前半の頂上決戦に参加したことで、五輪メダルまでの「距離」がはっきり見えた。

 アルベールビル五輪女子シングル銀メダリストの伊藤みどりさんはこう指摘する。

「今季のGPファイナルは、オリンピックの前哨戦。GPシリーズの各大会とはレベルが違います。日本の2人もこのメンバーの中で戦って、ショート70点台、総合200点台を残したことは大きい。目標とする演技のレベルも上がったでしょう」

 実際、2人のGPファイナルでの演技は、五輪メダルの可能性も感じさせるものだった。

 まず、今年1月に股関節を疲労骨折し、リハビリ明けだった宮原。GPシリーズに「完全復活」は間に合わないと考え、

「今季は、全日本選手権にかけるという強い気持ちが必要」

と話していた。

 GP初戦のNHK杯は5位、スケートアメリカで優勝、その後、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ(18)の欠場でGPファイナル出場を決め、迎えた本番。ショートで「3回転+3回転」などを完璧(かんぺき)に決め、74.61の高得点で3位発進。

「落ち着いてやれば去年より点が出ることが分かりました。試合に出ることで緊張感を感じて、試合勘が戻ってきました」

 フリーでもすべてのジャンプを片足で着氷。ビデオ判定によるジャンプの回転不足はあったものの「ミス・パーフェクトの復活」と言える演技だった。

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