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稲垣えみ子「もう一生タオルを買わなくていいってこと?」

連載「アフロ画報」

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稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行

穴が広がりボロボロになったタオル。こんな姿を目撃したのは人生初(写真:本人提供)

穴が広がりボロボロになったタオル。こんな姿を目撃したのは人生初(写真:本人提供)

 例えばタオル。1枚のタオルを、夜銭湯で使い、朝洗濯し、昼干してまた夜使う。それを繰り返すうちにだんだん薄くなってついに穴が開いた。まあこの時点で寿命かもしれんが、ここまで毎日を共に過ごしていると「まだ頑張ってほしい」という思いが湧いてきて、なかなか見切ることができません。しかしそうこうするうちに穴は少しずつ確実に大きくなり、ついに先日、新しいタオルを買いました。

 この間、約1年半。

 思えばこんなに「一タオル」と向き合ったのは初めてです。穴が開いてもタオルはタオルってことも分かった。とことんやりきってもらった感じです。そう人間だって、くたびれても擦り切れても、まだまだできることがあるはずなのです。

 そして、モノを使い切るには思った以上の時間がかかるということも思い知ったのでありました。

 このペースだと、私が残りの人生で使うタオルは、たとえ100歳まで生きたって30本です。しかも先日、行きつけの銭湯でタオルプレゼントにありついてしまった。いやいや考えてみれば実家には未使用のタオルが余裕で30本はあるよ。じゃあもう一生タオルを買わなくていいってこと? もしや人生で必要なモノはもうあらかた持ってるってことなのか?

AERA 2017年12月18日号


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稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行

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