「ウェンブリーが終わって一瞬ホッとしたら、首に激痛が走」り、5月、頸椎(けいつい)に人工椎間板を入れる緊急手術を受けた。日本ではできない、最先端医療による大手術だ。

 それでも2カ月後には痛み止めを大量投与し、しびれをこらえて6日間の日本ツアーを敢行。10月は映画のプロモーションでヨーロッパを飛び回った。

「いまもはっきり言って体調は完璧ではないんです。僕は努力の神様がいつか必ず努力を実らせてくれると自分に言い聞かせて努力してきてるんですが、やっぱり調子よすぎるなと思ったら手術になって。世の中うまくできてますよね」

 身体が休めと言っているのでは?

「そうですね。でも、まあ……やるしかないですよ」

 今年も昨年同様、紅白歌合戦で〆る。

「紅白には感謝してるんです。東京ドームでライブをやっても家族や親戚は理解してくれなかった。でも初めて紅白に出たら『ヨシキすごいわね』って」

 ライブハウス出身で成功したロックミュージシャンたちの常套句ではある。でも、あのYOSHIKIのセリフだからこそ、無邪気な口調が印象的だった。(ライター・鈴木あずき)

AERA 2017年12月18日号