北川:私もそのシーンがいったいどんな話に結びついていくのかって思ってました(笑)。

大泉:やりたいことを理解してもらえないのね。だから脚本作りに4年もかかるんですよ(笑)。

北川:今回、大泉さんはいつ脚本をもらったんですか。

大泉:2年以上前です。あくまで一番辛口の観客として、これでは最後がグッとこないとか、つじつまが合わないんじゃないかとか客観的に思うことを伝えました。前2作と違って、今回の脚本はほとんどオリジナル。もっと面白くするには事件にヒロインを巻き込まないとダメじゃないかとか、ものすごく苦労していました。実を言うと、今回の北川さんのマリという役はなかなか引き受け手がいないのではないかと思ってたんですよ。

北川:どうしてですか。

大泉:マリの過去を演じるには、女優さんにはかなり厳しい設定もあるから。しかも、リリー・フランキーさんに本気で髪つかまれて投げられるわけでしょ。私は縛られていたから何もできませんでしたけど、ひどいことするなって見てましたよ。何回も投げられてたでしょ?

北川:はい(笑)。

大泉:冬のススキノも走らされたしねぇ。

北川:ありましたね。

大泉:高い所が苦手なのに、結構な高さから飛び降りるシーンもあったよなぁ?

北川:高い所は本当に苦手。落ちることがとにかく怖いんです。でも、脚本を読む前にこの役をやると言っちゃったので。

大泉:読む前に言っちゃったんだ(笑)。

北川 はい。謎の女役というのが嬉しかったんです。「モデルエージェントの女社長でマリという役の話が来てますよ」と言われて「やりまーす」って。

大泉:えぇっ!? そんなユルい決め方していいんですか!? それで決めたの?

北川:そうです。それから脚本を読んで「結構激しい役なんじゃない!」みたいな(笑)。

大泉:スゴイ! あなたには男気がある。

北川:よく言われます(笑)。私、直感で決めちゃうんです。「これはいい作品だ」って。でも、もともとこのシリーズが好きで。小雪さんや尾野真千子さんが出演された映画だからやりたいって思ってました。

次のページ