男女共同参画「課→室」に懸念の声 福島瑞穂議員「自治体からもなくなる」

竹下郁子AERA
 文部科学省は来年度の組織再編で、女性の社会進出を支援する「男女共同参画学習課」を廃止し、かわりに新設する共生社会学習推進課に「男女共同参画学習室」として機能を統合する案を打ち出した。同課は他にも障害者学習支援推進室、安全教育推進室や外国人児童を担当する予定だ。再編の目的は学校教育と社会教育の縦割りを克服し、より横断的な教育行政を行うこと。現行では職員6人が男女共同参画推進を担当し、再編後も削減の予定はない。だが、課から室への明らかな「格下げ」だと警鐘を鳴らす女性たちがいる。

 十文字学園女子大学名誉教授の亀田温子さんら8人は11月1日に男女共同参画学習課の存続を求める要望書を文科省に提出。17日には同趣旨の院内集会を開き、女性議員をはじめ約60人の参加者が文科省担当者に率直な思いをぶつけた。

 立憲民主党の亀井亜紀子衆院議員は、統合先の共生社会学習推進課の担当が多岐に渡るため、「課長の業務が増えて男女共同参画に時間が割けなくなることは目に見えている」

 と指摘。沖縄の風所属の糸数慶子参院議員は、

「男女格差ランキングが世界114位になり下げ止まらない状況で、安倍政権が掲げる女性活躍ともかけ離れている」

 と主張する。

「文科省から男女共同参画に関する課がなくなれば、自治体からもなくなると思う」

 と発言したのは社民党の福島瑞穂参院議員。そう、この日最も多かったのが、地方への影響を懸念する声だ。県庁や市町村役場ではすでに男女共同参画課として独立しているところは少なく、他の部署と再編されている。また名称変更も多く、男女共同参画のための施設が県民共生センターになったり、大学の男女共同参画センターがダイバーシティーセンターになったりしている。神奈川大学名誉教授の入江直子さんは言う。

「男女共同参画という看板が下げられればジェンダーの問題は見えづらく、扱いづらくなる。すでに男女共同参画の予算が減らされている地域もあり、人員や予算の確保、関連する学習講座を開くのが難しくなってきています。今回の文科省の再編はこのような動きに拍車をかけるのではないかと心配です」

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