昭和女子大とテンプル大の会見。両大は2016年から単位互換協定を結んでいるが、今後は学位取得や共同プログラムを進める (c)朝日新聞社
昭和女子大とテンプル大の会見。両大は2016年から単位互換協定を結んでいるが、今後は学位取得や共同プログラムを進める (c)朝日新聞社

 女子大は不況時の就職に強い。卒業生1千人以下の中小規模が多く、学生と教員やスタッフの距離が近い。きめ細かく面倒見のよい支援が高就職率につながっている。さらに近年は、キャリア形成を見据えた資格取得や、社会で即戦力となる教育に力を注ぐ女子大が増えている。

 卒業生1千人以上の大規模女子大の中で実就職率No.1を誇る昭和女子大は、2018年から「グローバルビジネス学部会計ファイナンス学科」を開く。ファンドマネジャーなど実務経験豊富な教員をそろえ、日商簿記2、3級やファイナンシャル・プランニング技能士3級合格を目指す。19年9月には大学敷地内に米・テンプル大ジャパンキャンパスが全学部を移転。一層のグローバル教育推進に傾注する。

 今年、有名企業400社への実就職率ランキングで女子大1位となった東京女子大は来年から「国際英語学科」「心理・コミュニケーション学科」「国際社会学科コミュニティ構想専攻」を新設。国際英語学科では英語圏の大学留学が必修で通訳・翻訳などのキャリア形成に導く「英語キャリアコース」もある。

 16年度実績で、就職希望者の94%が総合職・専門職へと進んでいるのが津田塾大だ。今年度から、女子大初となる「総合政策学部」を開設。元厚生労働事務次官の村木厚子さんを客員教授に迎え、社会の諸問題を解決するリーダー育成を目指す。同大企画広報課の三宅美則さんは、

「当初定員の110人に対して160人が在籍。活動的な学生が多いという印象ですね。千駄ケ谷キャンパスでオリ・パライベントを立ち上げたり、小平キャンパスまで必修ではない第二外国語の授業を受けに来たりする学生も。リーダー育成にふさわしい学生が集まったという手ごたえがあります」

 中高一貫校の淑徳与野高校(埼玉県)は、こうした就職に強い女子大へ多数進学している。進路指導部長の長尾波留子教諭は、受験を勧める理由の一つに入試日程の早さを挙げる。

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