「多摩キャンパスと都心キャンパスそれぞれの特質を生かしたい」と語る中央大学の酒井正三郎総長・学長=11月13日、東京都八王子市の多摩キャンパス(撮影/編集部・渡辺豪)
「多摩キャンパスと都心キャンパスそれぞれの特質を生かしたい」と語る中央大学の酒井正三郎総長・学長=11月13日、東京都八王子市の多摩キャンパス(撮影/編集部・渡辺豪)

 郊外のキャンパスが都心に移動する「都心回帰」が顕著だ。中央大学の「看板」ともいえる法学部も、都心への移転を表明している。その理由は何なのか、中央大学の酒井正三郎総長・学長に聞いた。

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 2015年の創立130周年を機に10年間の事業計画を策定しました。この柱の一つに法学部の都心展開をすえています。

 その背景、理由は3点が挙げられます。一つは、教授陣の効率的派遣です。本校の法科大学院は市ヶ谷キャンパス(新宿区)にあり、法学部は八王子市内の多摩キャンパスにあります。教員は両キャンパス間の移動に大きな時間的制約を受けています。司法試験合格者数の多い5大ロースクール(法科大学院)=中央、東京、京都、早稲田、慶應=のうち、法学部と法科大学院のキャンパスが都心と郊外に離れているのは本校のみ。これを一体的に配置させる必要があるという判断です。

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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