竹内智香「他のモノに流されるのなら、それは本当の団結ではない」

連載「黄金色へのシュプール」

AERA#竹内智香
米国コロラド州ボルダーで。街並みを見下ろしてリラックスする竹内(写真:本人提供)
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米国コロラド州ボルダーで。街並みを見...

 ソチ冬季五輪で銀メダルを獲得したスノーボード女子アルペン・竹内智香選手が「AERA」で連載する「黄金色へのシュプール」をお届けします。長野五輪を観て感動し、本格的に競技をスタート。2018年2月の平昌五輪では念願の金メダル獲得を目指す竹内選手の今の様子や思いをお伝えします。

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 私たちがやっているスノーボードは個人競技のスポーツです。先週は海外の友人から学んだ個性の大切さや、自己主張することの意味についての話をしましたが、それはやっぱり私にとっては競技にもすごくつながってくる部分なんだといつも考えています。

 私は良いものは良い、好きなものは好き、嫌なことは嫌だと、はっきり言える性格だと思います。もちろん自分の好き勝手にやるとか、他人に迷惑をかけるとか、そういうことはしたくありません。ただ、世界のいろいろなところに長年行って、またたくさんの国の人たちと交流してきて思うのは、やっぱり私たち日本人は自分を表現することが苦手というか、それがどこかいけないことでもあるみたいな感覚の人たちがいる気がします。

 そういう意味でも、私は日本人の中では、あまり大勢で群れない人間なのかなと自分で思ったりします。誰かの意見や考えに流されるのではなく、良いこと、悪いことをしっかり自分でジャッジする。そしてそれを表現することを、私はこの競技、そして多くの友人から学んできたのだと感じます。

 もしかしたら、私のこういうスタンスを見て、日本では時に不満に思う人がいるかもしれない。以前、「みんなでもっと一緒にやろうよ」と言われたこともありました。もちろん共有するところは共有して、みんなで高め合うことはあったほうがいいし大切です。それでも、私は個人競技である以上、どこかで自立して、自分自身で道筋や結果を示していかないといけないと常に思っています。何より、みんなで動くということは、本当に同じ考えで共鳴し合わないと意味がないですよね。ただ、一人で考える、表現することが怖いからと、他のモノに流されてしまうのであれば、それは本当の団結ではないと思います。

 少しだけ、強い主張に感じられる方もいるかもしれません。でも、個人同士で勝負を競う世界。こうした、自分の芯であり軸にしていくべき考えは大事だと胸を張って言えます。それは、もしかしたら10代の頃から厳しい競争の中にいたから出来上がっていたものかもしれません。また、スイスで過ごした5年、6年が今の私をつくったのかもしれません。生存競争の真っただ中に常にいた私。やっぱり人間的な部分でも、スノーボードは私に大きな影響を与えているのだと実感しています。

AERA 2017年11月20日号

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竹内智香

竹内智香

竹内智香(たけうち・ともか)/1983年12月生まれ。スノーボードアルペン種目選手。ソルトレーク、トリノ、バンクーバーと冬季五輪に続けて出場し、2012年12月にはワールドカップで初優勝。ソチ五輪では日本人女性スノーボード選手で初のメダルとなる銀メダルを獲得。5度目の五輪となる平昌では5位入賞を果たした。

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