会場も徐々に大きくなり、11月23日には、516席ある松戸・森のホール21(千葉)でコンサート、来年1月8日には大阪で単独公演の予定だ。

「よく『星屑スキャットの曲を聴くと安心する、ここにいていいんだって感じる』とお客さんやファンの方に言われます」(和恵さん)

「ようやく“音楽”として捉えてもらえるようになった実感はありますね」(ミッツさん)

 メイリーさんが「テレビで歌えるのがうれしい。とくにThe Coversは歌を大切にする番組だし」と話すのを聞くと、少し寂しさも感じる。もっと出演番組があっても、と思うからだ。

 最近の星屑スキャットは、70~80年代の歌謡曲カバーだけでなく、オリジナル曲も増えてきた。なかには「半蔵門シェリ」のようにミッツさんが作詞作曲を手がけたものもある。そのどれもがポップスの王道を感じさせるものばかり。聴きこんでいくと、星屑スキャットの歌声に心地よく翻弄されていくはずだ。(ライター・角田奈穂子)

AERA 2017年11月20日号