バイセクシュアルのB子さん(27)。死後の墓は、永代供養墓もあるが、お金がかかる。「じわじわと弱って、何も手続きできないまま孤独死しないように考えておかないとなと思います」(撮影/鈴木芳果)
バイセクシュアルのB子さん(27)。死後の墓は、永代供養墓もあるが、お金がかかる。「じわじわと弱って、何も手続きできないまま孤独死しないように考えておかないとなと思います」(撮影/鈴木芳果)

「人生100年時代」に突入するニッポン。住み慣れた地域で老いて安心して死ぬことができたのは、もはや過去の話だ。非正規労働、シングルマザー、フリーランス、LGBT……。生き方が多様化する中、老後、そして「死に方」の不安とは。

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 未婚化というライフスタイルの変化で、独身、あるいは家族と死別・離別した単身世帯、いわゆる「おひとり様」が増えている。国勢調査によると、15年の単身世帯数は1842万世帯と、95年の調査時点に比べ6割増えた。本誌がアエラネットで実施した「おひとり様」アンケートでは、55人から回答があり、78%もの人が「将来への不安を抱いている」と回答した。

「体調の悪いとき」(会社役員、44歳男性)、「病気になったときどうすればいいか。動けなくなったらどうすればいいか」(会社員、46歳女性)「年をとってからの貧困」(会社員、41歳女性)……。健康や経済面から来る不安を挙げる人が多いが、単に経済的困窮だけでなく、社会的孤立から来る不安を挙げる人も少なくなかった。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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