「化学兵器を使ったシリアへの対応では優柔不断ぶりを発揮し、ロシアの反米感情をあおり続け、世界における米国の地位を著しく失墜させた。経済は一向に改善せず、どこまでも米国を弱体化させた最悪の大統領だった」

 そう酷評する40代半ばの男性は、バージニア州で治安関係の仕事をしている。職業上、政治的意見を表明できないために名前を明かすことはできないとしたうえで、「オバマが引き起こした社会の分断の反動がトランプを当選させた」と強調。「ある新聞は『オバマが生んだトランプ大統領』という記事を載せたが、まさにその通り。だから、オバマがやったことを全て覆すのが彼の仕事だ。それが強い米国を取り戻すことになると多くが信じている」

 この男性が暮らすバージニア州では今年8月、米南北戦争で奴隷制維持のために戦った将軍の銅像撤去計画に抗議する集会を開いた白人至上主義のグループと、黒人の権利擁護や反ファシストを訴えて対抗デモを行ったグループとの衝突がシャーロッツビルで発生。対抗デモに加わった女性(32)が死亡した。分断を象徴する出来事として大問題となり、当初、白人至上主義者を非難しなかったトランプ大統領に批判が集中したが、男性の考えは違う。

次のページ