などと、既存のスタイル(?)を打ち破るアイデアを次々に口にする。そもそも「既存のスタイルを打ち破る」のが苦手な大手企業からの転職者はイメージを共有しにくい。この女性の場合、それがプラスに働いた。

 攻めは得意だが守りが不得意な社長に対し、女性は「守って育てるタイプ」。社長の夢に共感しつつ、現実を知って辞めていくスタッフが多い中、女性は社長のむちゃぶりをモノともせずに伴走した。「シャワーのように」社長の言葉を浴びて、それを周囲に通訳するうち、興味がなかった広報に関心を持つようになって、別のベンチャーに広報部員として転職。前ベンチャーの仕事も副業として続けているが、現ベンチャーの社長もそれを容認している。(ライター・羽根田真智)

AERA 2017年11月13日号より抜粋