ところが、浜田美栄コーチは違った。

「めちゃくちゃ怒りました。練習が出たんだと思います。誰でもいいときはいい。うまくいかないときにどれだけ辛抱できるかです」

 と話し、こう続けた。

「いい性格だし、かわいいんですけど、私は近所のおばちゃんじゃない。コーチなので。皆さん(報道陣)もすごく甘い」

 練習でやるべきことを気分でやめたりせず、スピンなどの地道な練習にもきっちり取り組むことを求めた。

 本田はというと、

「先生の中での練習と、自分の中での練習に差があるんだなと感じた。自分ではしっかり練習したつもりだったので。質のいい練習か量か。全日本までに自分の答えが見つかると思います」

 スピンについては、

「スピン練習は……。ふふふ、嫌いです」

 と正直だが、意欲は見せた。

「練習すればできるってわかってはいるので、頑張りたいなと思います」

 平昌五輪まであと3カ月。「答えを見つける」とした「全日本」が、最終選考会となる。(朝日新聞スポーツ部・後藤太輔)

AERA 2017年11月13日号