タフすぎる学校行事「強行遠足」 制限時間24時間で100キロ超を踏破 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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タフすぎる学校行事「強行遠足」 制限時間24時間で100キロ超を踏破

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石臥薫子AERA
甲府第一高校/午後2時、元気いっぱいに出発。その数時間後から、ただ足を前に出すことがどれだけつらいかを思い知る。最後尾がゴールするのは24時間後。極限状態での自分との葛藤は、どんなに卒業年次が離れていようと、同窓会で盛り上がる鉄板ネタだ。女子は男子のコースの30キロ地点から約40キロを歩く(撮影/写真部・今村拓馬)

甲府第一高校/午後2時、元気いっぱいに出発。その数時間後から、ただ足を前に出すことがどれだけつらいかを思い知る。最後尾がゴールするのは24時間後。極限状態での自分との葛藤は、どんなに卒業年次が離れていようと、同窓会で盛り上がる鉄板ネタだ。女子は男子のコースの30キロ地点から約40キロを歩く(撮影/写真部・今村拓馬)

OBの堀内健太郎さん(撮影/工藤隆太郎)

OBの堀内健太郎さん(撮影/工藤隆太郎)

 生徒は経験を重ねるたび、何がダメだったかを反省し、次の戦略を練る。岩瀬さんは、前半のハイペースがたたった昨年の失敗を踏まえ、本番はペースを抑え気味に走った。しかし、山道のつらさは予想以上。

「痛くない。大丈夫、大丈夫」

 暗闇の中、声を出して自分に言い聞かせた。

 同校のOBでボストンコンサルティンググループに勤務する堀内健太郎さん(31)は、そうした経験が今の仕事にも生きていると話す。例えば組織改革のプロジェクトは長期戦。戦略を立て実行、修正の繰り返し。何度も壁が立ちはだかる。

「強行遠足も五里霧中にとにかく一歩を踏み出す。でもそれを続けることがゴールにつながると体感できた。それが踏ん張る時の原動力になっています」

 実は堀内さんの現役時代、女子生徒が遠足中に暴走車にはねられ死亡するという悲惨な事故が発生。一時は廃止案まで出て、距離も半減された。だがOBを中心に100キロ復活運動が起き、OB・保護者総出で安全確保体制を整備。4年前、伝統は復活した。堀井昭校長は言う。

「学校がリスクを恐れがちな今の時代、強行遠足ができるのはOBの思いと歴史があるから」

 スタートから14時間余り経った8日午前4時半。岩瀬さんは2年生の後輩と手をつなぎ、トップでゴールした。(編集部・石臥薫子)

AERA 2017年11月6日号より抜粋


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