「見た目」のハードルは「会わない」ことで越えられそうだが、恋する二人はいずれ会うことになる。「初対面の人と会う」「話す」という第2のハードルは、どう越えればいいのか。
都内在住の会社員女性(36)は婚活中。結婚相談所や婚活サイトに登録するが、やはり、
「会うのが億劫(おっくう)。初対面の人と話すのは苦手です」(女性)
婚活パーティーでは男女は数分間言葉を交わし、次々と相手が代わっていく。だが、コミュニケーションが苦手という人にとっては、コミュニケーションそのものはもちろん、そこで自分をアピールし、短時間で相手を見極めることは至難の業だ。
そこで、前出の岩本さんが開発を進めているのが「婚活代行ロボット」だ。
「ジョジョ(漫画『ジョジョの奇妙な冒険』)が好きです」
「テニスの大会で優勝したことがあります」
自身の経歴やPRしたいことを入力しておくと、相手と対面したときに、自分に代わって話してくれる。ロボットの代わりに、スマホでも同様のことができる。
こんなロボットを使うことで、思わぬ効果もあると指摘するのは、VR研究者で東京大学大学院講師の鳴海拓志さんだ。
VRのヘッドセットをかぶり、自分のアバターをノリのいいアフロの男性にすると、ドラムをたたくリズム感がよくなるという研究結果を踏まえたうえで、
「代行ロボットが明るく振る舞うと、そのロボットと同じように実際の自分も明るくなる。そんな効果が見られるかもしれません」 (編集部・長倉克枝)
※AERA 2017年10月30日号