眼を凝らして投票行動を取らねば、遠からず深い後悔を迫られる(※写真はイメージ)
眼を凝らして投票行動を取らねば、遠からず深い後悔を迫られる(※写真はイメージ)

 改憲に肯定的な勢力に希望の党が加わったことで、安倍政権の改憲をめぐる動きは今後どう影響してくるのか、ジャーナリスト・青木理氏が解説する。

 今回の総選挙で台風の目となった小池都知事率いる希望の党の姿勢にも触れておきたい。すでに改憲方針は明確化した小池都知事だが、過去にも幾度か自身の憲法観と改憲志向を語っている。

「いったん現行の憲法を停止する、廃止する。その上で新しいものを作っていく。どの部分を変えるというような議論では、もう間に合わないのではないかと思っております」(00年11月、衆院憲法調査会で)

「まずは誰が聞いても『いい』と言えるような憲法から改正し、『憲法は改正できるものだ』という意識を共有するところからはじめた方が、結果的には早く憲法改正できるのではないか」(11年に出版された対談本で)

 前者の過激ともいえる発言は、日本会議の一部に今もくすぶる“押しつけ憲法破棄論”につながり、後者は見事なまでの“お試し改憲論”である。いずれにせよ、何としても改憲に持ち込みたい首相やその支持者にとっては、最終的には協力を取り付けたい相手であろう。

 では、総選挙後の政界地図はどうなるか。現時点で予測するのは難しいが、自民党の議席が大激減することでもなければ、政権は当面維持される。もちろん、減り方次第では政権の求心力がさらに毀損し、与党内に憤懣が鬱積(うっせき)し、改憲どころではない状況に追い込まれることも想定される。

次のページ