世代も職業もバラバラ。「美味しいものが好き」というだけの初対面の人たちが集まって共通の話題があるのかと思いきや、この盛況に(撮影/倉田貴志)
世代も職業もバラバラ。「美味しいものが好き」というだけの初対面の人たちが集まって共通の話題があるのかと思いきや、この盛況に(撮影/倉田貴志)

 23歳がつくりだす料理をNYの人々が熱望している。既成概念にとらわれない彼の料理の流儀とは。

【フォトギャラリー】「予約は4千人待ち」若き天才シェフの流儀

 ニューヨーク・ブルックリンでカリスマ的な人気を集める若手シェフ、ジョナ・レイダー氏が、ウェブメディア「HEAPS」の招きで9月に来日、ディナーイベントを行った。

 レイダー氏は2016年にコロンビア大学を卒業したばかりの23歳。「レストラン」という形を嫌い、自宅の一部を「サパークラブ」として料理をつくり、供している。数カ月前まで予約は4千人待ち、今は「ウェイティングリストに何千人というのがばからしくなって」、不定期にネットでチケットを売り出すが、3分ほどで売り切れてしまうという。

 もともと料理好きの家庭に育ち、親の手伝いで自然と台所に立つようになった。料理を専門的に勉強していないが、大学の寮で友人をもてなしたものが評判になり、客が集まるように。

 ウォールストリート・ジャーナルやニューヨーカーといった大手メディアにも記事が載った。

 大学では、「世の中を知りたいから」と経済学や社会学を専攻。ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ教授のリサーチアシスタントを務めた。ちなみに同教授は彼の料理のケータリングを利用する「顧客」でもある。

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