竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

「コンビニ百里の道をゆく」は、40代のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 今年4月時点の待機児童数は2万6081人。3年連続で増加、と報道されました。

 ローソンの女性社員のうち、21.9%はワーキングマザー。その比率はこれからどんどん増えるでしょう。在宅勤務制度やベビーシッター利用補助など、これまでも子育て支援策の拡充を続けてきましたが、今後はもっと加速させます。

 私たちは2014年7月、コンビニ業界で初めて、東京都品川区の本社1階に事業所内保育施設「ハッピーローソン保育園」を開園しました。ローソングループの社員向けの保育所としてスタートしましたが、今では同じビルに入る他の企業で働くみなさんのお子さんたちも受け入れ、とてもご好評いただいています。

 さらに加盟店オーナーが事業者となる企業内保育所の準備も進めています。来春には北海道札幌市で開所する予定です。子育てをしながらお店で働くクルーのお子さんを預かるだけでなく、地域住民のみなさんも利用可能。オーナーの方の中に、ご家族が札幌市内で2カ所の保育園を経営されている方がいらして、運営をお願いしました。これまでのノウハウを生かしていただくことができそうです。

 行政からの助成金もありますが、ローソンも費用の一部を負担して支援します。札幌市のケースが成功すれば、そのスキームを全国に転用できるかもしれません。そうすれば、約6千人のオーナーのみなさんのみならず、店舗で働くクルーのみなさんも支援できることになる。

 ローソンが保育所事業を手掛けるのは、女性の活躍を後押しすることが目的です。恒常的に労働力が不足しているいま、「働きたい女性」だけではなく「働いてもいい」という女性を応援し、働きたくなる環境をつくりたい。会社が率先して「需要の掘り起こし」をしていくことも、必要ですよね。

 ローソンは、「女性が子育てをしながら活躍し続けられる会社」であり続けたいと思っています。この軸がぶれないよう、経営していきます。

AERA 2017年10月16日号

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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