同社の市場分析では、「仕方なく」ノンアルを飲むのではなく、ノンアル自体を楽しむ人も増えているそう。

「ビールのおいしさはもちろん、飲んだ時の楽しい気分をもっと自由に感じていただけるような飲み方を提案していきたい」(同)

●「麦汁使わず成分再現」

 オールフリーのCMにチラッと出てくる、氷を入れてキンキンに冷やす飲み方。あれもそのひとつだという。

 続いて16年からノンアル市場のシェアトップに躍り出たのが、12年発売のアサヒビール「ドライゼロ」だ。

 これまでのノンアルで原料として使われていた(発酵させない)麦汁。

「その麦汁を使わずにビール成分を再現したため、余分な甘味や雑味を抑えることができた」(アサヒビール広報部)

 スーパードライを彷彿とさせる「ドライなのどごし」で、現在の市場では一番人気を誇っている。

 そんななか、老舗キリンビールも今年、ノンアルの新ブランドを立ち上げた。「零ICHI」だ。キリンのビール「一番搾り」で使われるのと同じ、一番搾り麦汁だけを使い麦のうまみを引き出す「一番搾り製法」でつくる。

「4月の発売時、年間140万ケースを目標にしていましたが、好調に推移したので、7月に年間目標を210万ケースに上方修正致しました」

 とキリンの広報担当。夏の間も順調に販売を伸ばしたため、「さらなる上方修正も検討しています」(同)と、売り上げは絶好調らしい。

 と、たっぷりノンアルについての豆知識を仕入れたところで、今回の本題へ。ネットで買い集めた世界のノンアル計16種類を編集部に用意。大酒飲み、下戸、禁酒中など、アルコールとさまざまな関わりを持つ編集部員ら17人に飲んでもらい、その味をジャッジしてもらった。

●品揃えはネットが充実

 ちなみにデパ地下や大手酒販店でも、ノンアルの品揃えが充実しているところは少なく、外国産や珍品を味わいたいときは、ネット通販が一番の近道。酒販店がやっているネットショップのほか、オフィス用品の通販サイトや、自然食品系のショップでも扱っているのは、ノンアルならではだ。

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