アルコール度「1%未満」から、「0.00%」「0.000%」というコンマ以下を競うゼロ戦争に突入。機能も充実して、ノンアルコールビールが飲み時だ(撮影/写真部・片山菜緒子)
アルコール度「1%未満」から、「0.00%」「0.000%」というコンマ以下を競うゼロ戦争に突入。機能も充実して、ノンアルコールビールが飲み時だ(撮影/写真部・片山菜緒子)

 あたしを酔わせてどうすんのヨ……は過去の話。飲んでも酔わない、でもおいしい! 5分でわかる最近のノンアル事情だ。

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 最近まわりで、ビールテイスト飲料、いわゆるノンアルコールビール(以降はノンアル)を飲んでいる人が、なんだか増えている。

 よくある理由としては、「健康診断でγ-GTPが高めだったから」「ダイエット中だから」などの生活習慣病関連や、妊娠、授乳といったおめでた系。また「親の介護で、いつ何があるかわからないから」「リストラされて夜勤のある仕事に転職」など、世相を映したものもあれば、「酔って骨折し、妻に禁酒を命じられたから」なんていう、しょうもない理由も。ちなみにこれは、うちの夫だ。

 自分の知る限り「ビールより、ノンアル」という声はさすがに聞かないが、さまざまな事情でアルコールを控えざるをえなくなったビール好きの人々を、ノンアルがいっとき癒やしているっていうのは、本当だと思う。

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 一方、ノンアルのほうも需要に応えて進化している。アルコール分ゼロ、カロリーゼロからプリン体ゼロ、糖質ゼロまで、機能が充実した商品が各種登場。おこづかいを削減された知り合いのおじさんが「新ジャンルや発泡酒が嫌いなので、ビールが買えないときは、もっと安いノンアルを買う」と話すレベルまで味も向上しているらしい。

 ここで、そもそもノンアルコールビールって何?からおさらい。国によって基準は変わるが、日本では「アルコール度1%未満」の飲料は「ノンアルコール」を名乗ることができる。つまり1%未満のアルコール度で、ビール風味がする飲料のことだ。

 その歴史は意外に古く、広く愛飲されるようになったのは、20世紀初め、禁酒法時代のアメリカだ。ビールを水で薄めてアルコール分を基準以下に抑えるという製法だったが、これがビールを取り上げられた国民に大ヒット。ノンアルのエポックになったと言われている。

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