渋谷生まれ90年代育ちの九龍ジョーは「フリッパーズ・ギターを聴いたことがない」

九龍ジョーAERA
 子どもの頃読んで忘れられない本、学生時代に影響を受けた本、社会人として共鳴した本……。本との出会い・つきあい方は人それぞれ。各界で活躍する方々に、自身の人生の読書遍歴を振り返っていただくAERAの「読書days」。今回は、ライターの九龍ジョーさんです。

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 シブヤ生まれ1990年代育ちだが、フリッパーズ・ギターを聴いたことがない。教室の後ろの黒板にプロレスの夢のカードを書いて、はしゃいでいるようなガキだった。サブカルですよね?と聞かれれば、違いますごめんなさいと答える。首肯くには押さえておくべき知識がスッポリと抜けている。じゃあ、いったい何なんだ。イラッとした顔でまた聞かれる。ジェネシスの「I Know What I Like」っていう曲、聴いたことありますか? ああいう人に私はなりたい。

 でも、思い起こせば、特定のカルチャーを好きになるきっかけのようなものはあったはずだ。思春期に、「週プロ」以外で。たぶんこれかもというのが、景山民夫『極楽TV』。景山さんが現役放送作家だった頃のコラム集だ。テレビの裏も表も斬りまくり。文庫で読んだぼくにとっては、映像を見ることの叶わない番組ばかり。でもこの本のおかげで、自分は何が好きなのか、を知ることができた気がする。(続)

AERA 2017年10月2日

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