でも、当たるか当たらないかは、本質じゃないんだよね。

鏡:はい。良心的な占い師は、予言はしないですね(笑)。

茂木:占いは非合理的だと言う人は、簡単に言うと決まっているルールの中だけで動く既得権益者です。ブルーオーシャンにおいては非合理しかエンジンがないんですから。

●生きる上で仮説を作る

茂木:僕は占いを、まず行動のきっかけとして考えています。それは偶然をきっかけにしたセレンディピティーを呼び起こすものでもあります。Aというものを目指していたらBに出会う。それが偶然性を意味するセレンディピティーです。Aを目指さないとそもそもBには出会わない。だからとにかく何か仮説を持つ。生きる上での仮説を作るために、占いを活用することはできると思います。

 どうしても今の人間って、狭い世界に閉じこもろうとする傾向があるので、少し世界を広げる、スペクトラムを広げるためのきっかけとして、使うことができると思います。

鏡:私は、まずはエンターテインメントとして占いを楽しんでほしいと思います。そして第2段階として、今持っている常識などを相対化するもう一つの世界観として、占いのロジックに触れてほしいです。占いの結果だけでなく、そのロジックに触れていただけるといいと思います。

(構成/ライター・本山謙二)

AERA 2017年10月2日号