●いまも続くお花摘み

 SMAPファン1万3千人がクラウドファンディングに応じ、8面にわたる全面広告という形でSMAPへの応援メッセージを掲載したのが昨年12月の朝日新聞。東京新聞でも昨年9月と11月に、伝言板コーナーをSMAPファンのメッセージで埋め尽くす企画があった。

 解散騒動後のSMAPファンの結束は固かった。

 2003年にリリースされたCD「世界に一つだけの花」を買い続け、デビュー25周年となる昨年9月9日には累計出荷枚数が300万枚に到達した。

 あるファンは話す。

「メンバーの誕生日などに『強化週』を設定し、チャート1位になるようにみんなで買い足すんです。ファンからのお祝い。素晴らしい楽曲をみなさんの目に触れるようにしておきたい」

 この活動は“お花摘み”と呼ばれ、おそらくはこれからも続いていく。

 毎週月曜日に放送されていた「SMAP×SMAP」では、メンバーが毎回、東北や本の被災地への義援金を呼びかけていたが、放送終了後はファンたちが、SNSを通じて呼びかけを続けていた。SMAPが応援活動をしていたパラリンピックのイベントへの参加を続けるファンも多い。すべては「SMAPの思いをつなげていきたい」という一心からだ。

 ファンサイト開設が発表された翌日は、香取が司会を務める「SmaSTATION!!」が、16年にわたる放送を終える日。

 前出の乗田さんが言う。

「最終回はつらく悲しいもの。その前日にこの明るいニュースを発表したのは、ファンに対するやさしさなのかも」

 中居正広(45)、木村拓哉(44)のことも、もちろんファンは忘れていない。

「残った2人も、3人がいない環境で必死に新しい何かを生み出そうとしているはず。そのことも忘れたくない」(乗田さん)

(編集部・高橋有紀、柳堀栄子)

※AERA 2017年10月2日号