ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 先週取り上げましたハリケーン・ハービーの被害は予想をはるかに超え、救援のための予算を追加することが不可避となり、予想通り、債務上限の一時的な引き上げとなり、ひとまず危機は乗り越えました。しかし、その乗り越え方がとんでもない!! これはトランプ劇場というより、トランプホラー劇場だとの声が出ています。

 今回の債務上限一時引き上げは、共和党の政策立案の中心であるポール・ライアン下院議長とミッチ・マコネル上院院内総務の反対を押し切り、トランプ大統領自身が、あろうことか民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務とチャック・シューマー上院院内総務と直接会って話をし、なおかつ民主党案をそのまま丸のみしたというのです。この合意はアメリカでは「シューマー・ペロシ・トランプ合意」などと呼ばれ、民主党有力議員と共和党の代表であるトランプの名前が並んでいるというのは、前代未聞の珍事と言えるでしょう。

 安倍首相が、麻生副総理、菅官房長官が反対しているにもかかわらず、民進党の前原代表、共産党の志位委員長と直接会って、野党案を丸のみしてきたとしたらどうですか?

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