●旧宮邸に一目ぼれ

 これまでコレクションに使った金額ですか? 想像できません。一番高いのは、相模湾を一望する海にせり出したボートハウス付きの旧宮邸。今の自宅です。1985年、雑誌で特集されたのを見て「一目ぼれ」。だけど、とても手が出る金額ではない。ところが97年に、当時の半額以下で売りに出されていることを知り、即決しました。

 僕は「モノの恩返し」と言っているのですが、テレビCMやイベントなどで僕のおもちゃを使っていただいて、貸出料が入ってくるようになりました。コレクションが、お金を生み出すようになったのです。

 今のお宝ブームは、テレビ番組の「開運!なんでも鑑定団」の影響が一番大きかったのではないでしょうか。それまで日本人はモノのサイクルが早かった。それがあの番組をきっかけに、昔買ったおもちゃにも値段がつくと知って、モノを捨てなくなったと思います。

 僕は、いままで買ったコレクションを一つも売っていません。倉庫にはそんなコレクションが山ほど眠っています。それを75歳までにすべてオープンにして多くの人に見てもらいたい、という夢があります。みんな息をのみますよ!!(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2017年9月25日号

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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