「学校には行けなくともアフタースクールには通える子も実際にいます。安心で安全、かつ子どもたちが主体的に活動できる場所をすべての子どもたちに確保してあげたい。この活動をインフラ化することが目標です」(島村さん)

 今後、子どもの居場所問題で大きな話題になりそうなのが、18年度から導入される大型連休「キッズウィーク」だ。夏休みなど長期休暇の最終週を5日間短縮し、その分の休みを地域ごとに決めるイメージだ。保護者も一緒に休むことで有休取得率をアップさせる「休み方改革」の一環で、家族旅行など新たな消費を喚起する狙いがある。みずほ総合研究所の試算によると、消費創出効果は0.4兆円。これは有休を取得することが大前提だが、現状は厳しい。16年調査では、有休取得率は48.7%、労働者1人あたり年平均18.1日の有休が付与されたにもかかわらず実際に取得したのは8.8日だった。政府は18年度の有休取得日数を前年度より3日増やした企業には助成する仕組みも検討しているという。ニッセイ基礎研究所・生活研究部主任研究員の久我尚子さんは、ハイシーズンを避けて安く旅行できるなどメリットも多いとしたうえで指摘する。

「大企業の正社員であれば休みやすい雰囲気にはなってきましたが、非正規の人が休みを申請しづらかったり、時給制の人は収入が減ったりするので困るかもしれない。それにサービス業はかえって休みづらくなる可能性もあります。子どもの居場所づくりと親の働き方改革は表裏一体です。親の職種や雇用形態が子どもの休暇に影響を与えないよう、休みやすい空気づくりや法整備に取り組むべきでしょう」

(編集部・竹下郁子)

AERA 2017年9月18日号