政治家として脇の甘さがあったことは間違いない。自民党の今井絵理子参院議員の不倫報道が冷めやらぬなか、自重する必要があった。それでも、これだけの華と論戦力とを備えた女性政治家を守れなかった、民進党の罪深さを思わざるを得ない。

 旧民主党は政策集で、選択的夫婦別姓の導入や婚外子差別撤廃の民法改正をうたい、男性中心の保守政党が光をあててこなかった層に支持を訴えてきた。今や、党の顔に蓮舫氏も山尾氏もいなくなった。女性の力を生かす土壌をつくれなかった民進党が自民党との違いを打ち出せないままでは、まったく救いがない。(朝日新聞政治部次長・松村愛)

AERA 2017年9月18日