相手からむき出しの感情を叩きつけられたらどうしますか?(※写真はイメージ)
相手からむき出しの感情を叩きつけられたらどうしますか?(※写真はイメージ)

 「どうしてそこまで怒るの?」「そこまで言わなくてもいいのに」――。このところ、イライラする人や罵詈雑言をはく人を目にする機会が多いとは思いませんか? あそこにもここにもいる「感情決壊」する人々。なぜ私たちはかくも怒りに振りまわれるようになったのか。それにはちゃんと理由がありました。アエラ9月11日号では「炎上人(えんじょうびと)の感情決壊」を大特集。聞き分けのない子どもに、理解のない配偶者に、ゴールが見えない感情があふれかえる。まずは、そんな感情を持つ自分を肯定することから始めてみよう。

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 相手からむき出しの感情を叩きつけられたらどうするか。信販会社のコールセンターでキャッシングの督促業務を担当する『督促OL 修行日記』著者の榎本まみさんはその経験から、怒っている相手を持ち上げる「ラベリング」が効果的だと語る。

「怒っているお客様に対して『特別なお客様ですから』といいようにラベリングすると、相手の怒りが収まりやすいんです」

 仕事場だけではなく普段の時でも「○○さんは本当はやさしいのに、怒らせてごめんね」というようにラベリングを使う。榎本さんの知人は子どもにカッときたときはわざと「私のかわいい○○ちゃん~」「○○ちゃんはできる子なんだから~」とラベリングを使って気持ちを落ち着けているという。

 職場では怒らない榎本さんだが、家庭では夫にカチンとくることも結構ある。

「もっと優しくしてくれてもいいんじゃないかとか家事を分担してくれとかカリカリきてしまう。余裕を取り戻すのが大事なので、カッときたときは自分が外に出るようにしています」

●少しずつ爆発させる

 日本人の感情発露のスキルは、そもそもここ数十年間で下がったという説がある。とりわけ女性の感情を抑え込んできたのが、いつもニコニコ太陽のように家族を見守っている「慈母幻想」だと、恵泉女学園大学の大日向雅美学長(発達心理学)は語る。

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