トランプ政権が軍事行動をちらつかせて以降、北朝鮮は核実験も強行しておらず、圧力の効果が見られる。そのため、トランプ氏は今後も「全ての選択肢」を強調しながら、外交圧力をかけ続ける方針を維持する。巨額な費用と犠牲を払う軍事行動は、それに見合うだけのメリットがない限り、トランプ氏のビジネス感覚にそぐわない。

 一方、北朝鮮はすでに米国本土に届くミサイルの実戦配備に向けた最終段階に入っているように見える。今後も日本上空を通過するミサイル発射実験を繰り返しつつ、必ず核実験の構えを見せる。このまま行けば、トランプ大統領の任期中にも、北朝鮮が核ミサイルによる米国本土攻撃能力を持つ事態が必ず生じる。米国民には軍事行動を求める世論が高まることになるだろう。(編集部・山本大輔)

AERA 2017年9月11日号