竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

「コンビニ百里の道をゆく」は、40代のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 政府が「働き方改革」に本腰を入れています。人手不足も深刻化し、限られた時間で最大の成果を上げる「生産性の向上」は待ったなし。ローソンも数年前から、さまざまな施策を試みています。

 加盟店では、主にオーナーの経験などに基づいて日々の発注業務をこなしていましたが、2年前、機械学習などを使って商品の適切な発注や品ぞろえができるセミオート発注システムを導入。各店舗での品ぞろえの偏差は小さくなり、2時間半ほどかかっていた発注が店舗によっては約30分で済むようになりました。

 消費期限が長い商品については、在庫が一定数にまで減ったら自動的に補充する計画発注システムも入れました。在庫切れを回避でき、お客さまのニーズにも対応できるようになっています。8月から導入を進めているタブレットでは、シフト管理やファストフーズの作成管理もできます。秋からは、自動釣り銭機を備えた新レジも順次導入。レジ作業を簡素化します。

 店舗だけではありません。加盟店の経営指導をするスーパーバイザーが無駄な会議や書類作りに忙殺されて店舗と向き合う時間がない!ということをなくすため、本部の仕組みも改善しました。

 午後6時以降は、メールや電話、会社支給携帯の使用を原則禁止する試みも始めています。店舗からの問い合わせには時間外も対応しますが、専用の「コンタクトセンター」を設けて分散していた窓口を一元化しました。結果、むしろ対応がスムーズになったという声があがっています。

 そして、本丸は「店舗の改善大作戦」(仮称)。ローソンオーナーやクルーのみなさんも巻き込んで知恵を集め、オペレーションを抜本的に見直します。「ムリ・ムラ・ムダ」は徹底排除して、最適な店舗レイアウト、働き方を見つけたい。私が社会に出た頃と比べると、働くことについての価値観は多様化しています。今後も商売同様、社会の変化にしっかり対応できる会社でありたいと思っています。

AERA 2017年9月11日号

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竹増貞信

竹増貞信

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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