福岡工業大学 下村学長はこの日1千枚の名刺を配った。就職率の高さに加え、学費が全国の私大理工系平均より4年間で約80万円安いことも魅力で志願者が増えている。(撮影/江藤大作)
福岡工業大学 下村学長はこの日1千枚の名刺を配った。就職率の高さに加え、学費が全国の私大理工系平均より4年間で約80万円安いことも魅力で志願者が増えている。(撮影/江藤大作)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(1/4)【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(1/4)
【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(2/4)【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(2/4)
【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(3/4)【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(3/4)
【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(4/4)【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)
5年連続実就職率90%以上の大学・学部(4/4)
【表の見方】データは、各大学発表による就職状況。医学部・歯学部を除き、実就職率が5年連続90%以上の学部を抽出、2017年の実就職率が95%以上の学部を率の高い順に並べた。所在地は大学本部の所在地で、学部所在地と異なる場合がある。卒業者数は2017年の人数。授業料(円)は2017年度のもの。学科ごとに授業料が異なる場合は平均の額(小数点以下は四捨五入)を掲載した。実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。現在、北海道科学大学空間創造学部は工学部に改組、福井大学教育地域科学部は教育学部、中部学院大学子ども学部は教育学部に改称されている(調査・大学通信)

 オープンキャンパス真っ盛りのこの季節。最近では親同伴で学内を回る姿も珍しくない。教育環境や入試倍率、学費もそうだが、“出口”の就職率なども気になるところ。AERA 8月28日号で、コスパのいい進学先を調べてみた。

【図表】5年連続実就職率90%以上の大学・学部はこちら

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 むせ返るような熱気の中、オープンキャンパスを目指し続々と人が集まってくる。「受付はこちらでーす」。学生に交じって声を張り上げ、保護者を見つけては駆け寄る男性がいた。差し出す名刺には「福岡工業大学学長 下村輝夫」の文字。驚く相手に、にっこり笑って付け加える。

「学生を見ていただければうちの大学のことがわかります。ご連絡をくだされば何なりと対応いたします」

 その様子を見ながら、山下剛事務局長がつぶやいた。

「うちは学長以下、全職員が営業部隊なんです」

 20年ほど前まで福岡工業大学(福工大・福岡市)はラグビーは強いが、学業や就職では国立の九州大学や九州工業大学に遠く及ばず、志願者は年々減少していた。1997年、元福岡ダイエーホークス球団社長の鵜木洋二氏が理事長に就任。再生のために強く打ち出したのが就職力の強化だった。今や同大の実就職率は全国でもトップクラス。志願者も11年連続で増加中だ。

●東京と大阪に常駐

 アエラは今回、大学通信の協力を得て、5年連続で実就職率が90%超の全国の大学・学部を抽出した。より実態を反映させるため、実就職率は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で出した。一般的な「就職率」の場合、分母を「就職希望者」とするため、フリーターになったり、就活の意欲をなくしてしまったりした学生の数を除外できる。意図的に数字を高く見せることも可能なのだ。ちなみに今春大卒の「就職率」は97.6%(文部科学省・厚生労働省調べ)。サンプルが違うため単純比較はできないが、ごまかしがきかない「実就職率」(大学通信調べ)は87.3%だ。

 今回、工学部がランクインした福工大。三澤礼一郎・就職部事務部長は「数だけでなく、最近では質も向上しています」と胸を張る。就職先にはソニーや富士通、本田技研工業や日本放送協会(NHK)などが名を連ね、上場企業と大手・中堅企業が占める割合は2014年の58.2%から昨年は70.3%に上昇した。

 強さの裏にあるのは、ずば抜けた「企業開拓力」だ。地元はもちろん、東京と大阪に企業開拓専門の職員が常駐。他の教職員も精力的に企業を回る。職員の行動規範は、「Just Do It!」。学生のためになることであれば、即実行との意識が徹底している。職員のほとんどが、民間企業からの中途採用組であることもフットワークの軽さにつながっている。その結果が、西日本で最大規模の年間800社が参加する大学主催の合同企業説明会だ。しかも8割の学生は参加企業から内定を得る。

 希望の分野があれば、関西や関東の企業にもどんどんチャレンジできるよう、新幹線代や宿泊費も補助。1回最大3万6千円で、2回まで出す。年間300人強がこの制度を使い、最近は6割の学生が関門海峡を越えるようになった。地元での就職にこだわる親の説得係も買って出る。昨年からは「企業向けのオープンキャンパス」も始めた。

「東京や大阪で企業向け説明会をやっていましたが、実際に来ていただいて、教育環境と学生の姿を見てもらったほうが効果的ですから」(山下事務局長)

 営業でどんなに企業を開拓しようと、学生が企業の求める人材でなければ就職は成立しない。同大の学生は入学時点での偏差値はそれほど高くないが、 情報工学部の前田洋教授は自信を持って言う。

「フックさえ見つかれば必ず成長するし、チャンスはうちの大学にはゴロゴロあります」

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