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「漫画実写化」映画の成功と失敗を分けるもの

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福井洋平AERA

(c)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会

(c)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会

「漫画実写化」映画の量産が続く。その質は玉石混交。ファンが納得するかどうかの境目はどこにあるのか。

 日本映画ですっかり「主流」となった漫画原作の実写映画。昭和の日常生活をVFX(視覚効果)で再現した2005年の「ALWAYS 三丁目の夕日」や、実写化不可能とされたSF大作を三部作で映像化した08年の「20世紀少年」など、映像技術の進化にともない「こんな漫画まで?」と思える作品まで、続々と実写化されている。

 今年は、連載30周年を迎えた人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』もついに実写映画化され、公開を控えている。

 とはいえ、名作とされる原作のレベルには遠く及ばない「迷作」が数多く生み出されてきたこともまた事実。成否を分ける分水嶺はどこにあるのか。

『Bバージン』などのヒット作を持つ漫画家の山田玲司さんは、出演したインターネット番組で、漫画の実写化が失敗する要因をいくつか挙げている。

 例えば「俺病」。原作があるにもかかわらず、映画監督が自分の自意識を前面に出してしまうことを指している。

「手塚治虫先生の漫画の映像化では、監督に『俺病』が発症して、原作の良さを殺して駄作になってしまったものが結構多いです」(山田さん)

 また、「たのきん映画への甘え」という要素も指摘する。これはかつてのアイドル「たのきんトリオ」の全盛期に端を発した「人気アイドル主演+漫画原作=両方のファンが来てヒット」という成功モデルのことだ。

 製作委員会方式が当たり前になり、出資に見合ったリターンが厳しく求められる現在の邦画ビジネスでは、一定の集客が見込める人気俳優やアイドルを主演に据えることが「必須」となっている。そこにピッタリはまったのが、大はやりの少女漫画原作映画だ。

●「すべて」より「一点突破」

 原作者が長い年月をかけて築き上げてきた信用と読者との信頼関係を映画産業が「利用する」のが漫画実写化の本質だ、と山田さんは言う。

「僕ら漫画家からすれば、漫画の宣伝の機会として割り切る以外は気持ちの置きどころがない。若い作家さんは特に、映画化をきっかけにもっと幅広く知ってもらえるのではないかと、任せてしまうこともあると思う」

 では逆に、「成功する実写化」とはどんなものなのか。山田さんが挙げたのは、ハリウッドがアメコミを実写化した「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と「アイアンマン」だ。


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