「我々は予定通り、認可が得られるであろうと思っており、本日参加させて頂いております」

 パワーポイントの資料をスライドに上映しながら、学校所在地や入試スケジュールの説明があった。ほかの2校の学校説明会は予定通り20分で終了したが、岡山理科大の説明は45分と大幅に予定時間を超えた。

 説明会後に、大阪から参加した女性に話を聞いた。

「新しくできる学校ということで熱意は感じた。関西に私立の獣医学部がなく、親としては少しでも近いところに学校ができるのは歓迎だ。ただ、報道などを見て、本当にきちんとした教育が行われるのか、特に、優秀な教員が確保できているのかは不安です」

 説明会終了後、加計学園の担当者を直撃した。

「遠方から来ている学校関係者もおり、注目の高さを感じた」

 そう手ごたえを語る一方、「PR活動を積極的に行っているのか」という記者の問いには「招待されて参加しています」と答えた。

 主催団体の関係者に確認すると、

「岡山理科大さんのほうから出たいと話を受けました」

 両者の意見は食い違うが、学校のPR活動がすでに始まっているのは確かだ。7月22、23日には岡山理科大学(岡山市)でオープンキャンパスが行われ、獣医学部の専用ブースも設置されるという。予備校関係者はこう話す。

「現役生を対象に推薦入試を実施する学校が多いなか、浪人生も対象とするなど、一人でも多くの受験生を集めようとしている。私立獣医学部の受験倍率が5倍を超えるなか、学生は集められると考えるが、受験者数にこだわっているのだろう。期待されているということを世の中にアピールしたいのではないか」

 安倍首相や国政を大きく巻き込んだ愛媛県今治市の獣医学部新設問題。認可に向けた審査の結論は8月末にも出される。(編集部・澤田晃宏)

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