なんといってもヘンリー王子の告白は衝撃的だった(※写真はイメージ)
なんといってもヘンリー王子の告白は衝撃的だった(※写真はイメージ)

 ダイアナ元妃没後20年を迎え、英王室で若き王族たちの「告白」が続いている。3人のオープンな姿勢に英国民は好意的だが、エリザベス女王は苦々しい顔を見せる。

 ウィリアム王子(35)は男性ファッション誌「GQ」英国版7月号のインタビューで、母親ダイアナ元妃(享年36)について赤裸々に心情を吐露した。

「ずっと母のアドバイスをもらいたかった」

「妻子を母に会わせることができないのが残念だ。しかもこれから絶対に会うことがないと思うと、悲しい」

「ダイアナ」の名前を口にし、母を慕う気持ちを話せるようになるまで20年かかったとも付け加える。キャサリン妃(35)も負けてはいない。ジョージ王子(3)とシャーロット王女(2)の育児について話す。

「もう、どうしようもない時があります」

子育てはとても孤独です」

●王室離脱も考えた王子

 しかしなんといってもヘンリー王子(32)の告白は衝撃的だった。アメリカの「ニューズウィーク」(電子版、6月21日付)のインタビューに、「英王室で、国王や女王になりたい人がいるでしょうか。僕はいるとは思わない」と率直だ。さらにイギリスの大衆紙「メール・オン・サンデー」(6月25日付)で、「王室を離脱したいと思ったこともあった」とも発言。「まるで金魚鉢の中で暮らしているようだと感じるときがあるが、最近はうまくやりこなせるようになった。王室を離れて普通の人になりたいとも思ったが、自分の立場を良いことに使っていきたい」と話す。20年前、ダイアナさんの葬列の際に棺の後ろを歩いたのは嫌だったとも言い、「子どもにそういうことをさせるべきではない」と、指示した祖父エジンバラ公を批判さえした。

 ウィリアム王子、キャサリン妃、ヘンリー王子の3人はメンタルヘルスの向上に尽くすため「ヘッズ・トゥゲザー」というチャリティー団体を立ち上げた。ダイアナさんの行っていた活動の継承を具体化したもので、身近な人の死やいじめの被害など、つらく悲しい体験は心にしまいこまないで言葉に出そうというもの。3人は親などを亡くした子どもを支える会などを頻繁に訪ねている。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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