ブンデスリーガに移ってから3年目のシーズンを迎える武藤嘉紀選手は、今年は「ゼロからのスタート」と語る。その理由は?
ブンデスリーガに移ってから3年目のシーズンを迎える武藤嘉紀選手は、今年は「ゼロからのスタート」と語る。その理由は?

 独ブンデスリーガのマインツに所属する武藤嘉紀選手が「AERA」で連載する「職業、ブンデスリーガー」をお届けします。大学在籍時からFC東京に所属し、日本代表にも選出。現在はマインツで活躍する武藤選手が異国の地での戦い、生活ぶりをお伝えします。

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 ドイツに戻り、新シーズンに向けたトレーニングが始まりました。マインツは新監督を迎え、新たなチームづくりが行われることになります。

 僕にとってブンデスリーガ3年目のシーズンですが、改めて「ゼロからのスタートだ」というのが、今の率直な心境です。

 新監督のもと、選手それぞれにも、その意識が浸透しています。「まずはチーム内の競争を勝ち抜かなければ」という気持ちがみなぎっていて、毎日の練習は、さながら「アピール合戦」のよう。初日から行われた紅白戦もいつも以上に激しく、互いにライバルだという雰囲気が、ひしひしと感じられます。

 ふと思い出したのは、日本で迎えたプロ1年目のことです。

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