一方、ハイリスク・ハイリターンの新顔といえば、仮想通貨ビットコイン。1日で2~3割も価格が変動するなど値動きが荒く、6月には過去最高の3千ドルを突破した。この市場でも存在感を増しているのは日本人。その多くがFXからの流入組だと言われる。

 彼らにとって、激しい価格変動こそ儲けるチャンス。ビットコインはこれまで、人民元に先安感を抱く中国人が資産防衛のために大量購入していたが、中国当局による規制強化をきっかけに、中国人が一斉に手を引いた。そこに日本人が新たな主役として躍り出てきた格好だ。

 背景には4月に日本で改正資金決済法が施行され、仮想通貨が正式に決済手段として認定されたこともある。7月からは購入時の消費税も非課税になったことで、ビットコインが決済手段として普及する可能性も高まっている。

 メジャーな存在となって価格は安定するのか、乱高下が続くのか、見方は分かれる。ハイリスク・ハイリターン好きにはたまらないだろうが、「投機」ではなく「投資」対象と考えるには、まだまだ危うい状態が続きそうだ。

(編集部・石臥薫子)

AERA 2017年7月17日号