ヘッジファンドはほかの投信と何が違うのか。両者の特徴の違いは、その投資戦略にある。

●どんな状況でもプラス

 ヘッジファンド特有の投資戦略はたくさんあるが、基本はいわゆるロングと呼ばれる「買い」と、ショートと呼ばれる「売り」を組み合わせ、市場が大きく価格変動しても影響を最低限に抑えようとする点。市場がどんな状況であろうともプラスになる「絶対利益」を目指す投資戦略が強みだ。

 というのも、この運用を担当するファンドマネジャーは、周囲もうらやむ成功報酬で知られるが、それも利益が出ていればこそ。利益が出なければ収入はなくなる。要は必死で利益を目指す仕組みなのだ。

 代表的な戦略の例を右の表に示したので見てほしい。最近では、こうしたヘッジファンドを細かく分けて販売する「ファンド・オブ・ファンズ」という方法もある。最低投資金額も10万円から投資可能な商品がある。

 庶民でも投資できるヘッジファンドとしては、例えば「ヘッジファンド証券」や「スーパーファンド・ジャパン」などがある。スーパーファンドの特徴は、インフレに強い金や銀の価格と連動させた商品があり、インフレに対する資産防衛機能が高いこと。庶民でも投資可能なヘッジファンドは増加傾向で、富裕層だけの特別な商品というイメージは徐々に解消されつつある。解約条件や制限などを十分に確認したうえで、資産の分散先として検討する価値はある。

 ヘッジファンド証券は、私募ではなく公募型のヘッジファンドを取り扱っており、市場に対して中立を保つ“マーケットニュートラル戦略”で、最低投資金額も100万円から投資ができる。

 ヘッジファンドは、リターンも大きいがリスクも高い。その半面、株価暴落などの有事の際には強い。資産防衛向き商品だ。

●出口は海外向けに

 一方で、オークションを活用する手はあるのだろうか。我々庶民は、資産数十億円、数百億円の富裕層の真似などできないが、彼らが好むのは「絵画」や「骨董品」といった美術品だ。「サザビーズ」などのオークションに出品される高額な絵画や著名音楽家の楽譜といったコレクション商品まで、その対象は幅広い。これらが資産防衛に役立つのか検証してみたい。

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