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中国人の海外不動産“爆買い”の背景に「永住権と安心感」

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山口亮子AERA#中国

不動産投資を目的に東京・上野駅近くのオフィスビルを下見に来た中国人富裕層の男性。周辺の環境をチェックし、採算性などについて盛んに質問していた(撮影/写真部・東川哲也)

不動産投資を目的に東京・上野駅近くのオフィスビルを下見に来た中国人富裕層の男性。周辺の環境をチェックし、採算性などについて盛んに質問していた(撮影/写真部・東川哲也)

 日本海にまた北のミサイルが着弾した。覇権国家アメリカでは“CNN”にラリアットする男が大統領だ。いつの世もリスクはつきものだが、いよいよニッポンもきな臭くなってきた。そんな時代に我が家の家計を、資産をどう守るか。AERA 2017年7月17日号では「中国とインドのお金を守る方法」を大特集。苦難を乗り越え今に至る、隣の中国の「不動産投資」から知恵をいざ、学ばん。

*  *  *
 500メートル四方の敷地に飲食店や雑貨店など600店舗以上がひしめく横浜中華街。

「今の中華街は2代目、3代目の人が多い」

 そう話すのは、風水グッズなどの専門店を営む洪益芬(こうえきふん)さん(60)。洪さん自身は1世。33年前に夫と2人で台湾から来日し、一代で事業を軌道に。今では4店舗を構え、接客もする現役だ。7月1日には横濱華僑總會という神奈川県在住の華僑・華人らでつくる団体の会長にも就任。人望が厚く、2年に1度ある選挙で当選した。そんな洪さんが大切にするのは「縁」と「根性」、そして「資産防衛」だ。洪さんは言う。

「お金ができたら、家を買う。中国や台湾の習慣ですね」

 中国人の投資は不動産、貴金属、美術品、骨董品など多岐にわたるが、そんな中でも群を抜いて重視するのは不動産だ。家がないと結婚できないのは常識で、資産価値が落ちにくく、住まいも兼ねた不動産への思い入れは並大抵ではない。日本でも話題となった中国マネーによる不動産の“爆買い”も、まだまだ勢いは続いているという。

●東京五輪決定も追い風

「日本の不動産への関心はどんどん高まっています。上海出張に行ってきたばかりですが、問い合わせがすごかった」

 こう声を弾ませるのは、スマイルコーポレーション(東京都豊島区)で海外部部長を務める小林橙子さん(31)。同社は主に中国人向け不動産の売買を仲介。物件の賃貸・管理まで行う。2010年の設立以来、会社の業績は右肩上がりだ。


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