ファルハディ監督とは4回目のタッグだ。

「私たちは若いころから知り合いで、友人のような関係でもある。彼は割とオープンに俳優と話し合い、私たちの意見を取り入れてもくれます。もちろん、自分の考えから離れたことは絶対に許さないけど」

 イランでこうした作品に主演したり、発言をすることに危険は伴わないのだろうか。

「保守派のメディアから叩かれたりすることはあります。でも今回は特に若い世代が『あなたのような勇気を持った女性になりたい』とサポートしてくれて、すごく励まされました。私はファッションやお化粧など表面的なことではなく、内面的に若者のひとつのロールモデルになれればいいと思っているんです」

●タランティーノが好き

 勇敢なる女優は、3歳半になる娘の母親でもある。初来日で楽しみにしていることは?

「東京ディズニーランド! 今日も渋谷で買い物をして、ミッキーマウスやダンボのグッズに夢中になっちゃった。娘へのお土産かって? ううん、自分のよ!(笑)」

 一緒に仕事をしてみたい監督はクエンティン・タランティーノ。華麗にまわし蹴りを決める彼女を見るときがくる……かもしれない。(ライター・中村千晶)

AERA 2017年7月10日号