ところが、この「批判→それに関する多数の報道」の図式が、逆にせんとくんの存在を多くの人に認識させる展開になった。前出の担当者が言う。

「受け入れてもらえないことは非常に残念なことでしたが、協会では意義を理解してもらえるよう、当時、積極的にテレビ、新聞などのマスコミへの出演やイラスト・アイテムなどの使用申請に対応しました」

 その数、雑誌・新聞などへの掲載件数4587件(09年11月~11年1月)、テレビの放映時間は計55時間6分25秒(フェア実施月分の10年4、5、8、10、11月)、1300年祭当時のライセンスグッズの数266アイテム。新聞、雑誌、テレビの広告換算額を合計すると、333億1900万円にものぼった。

 その結果、批判一辺倒だった世間の反応が、徐々に「よく見るとカワイイ」と、肯定的に変わっていったという。(ライター・羽根田真智)

AERA 2017年7月3日