会見で食い下がった東京新聞記者 菅官房長官を動揺させた突破の質問力

安倍政権

2017/06/21 16:00

望月衣塑子(もちづき・いそこ)/慶應義塾大学法学部卒。東京新聞社会部記者。千葉、神奈川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材。著書に『武器輸出と日本企業』など(写真:望月衣塑子さん提供)
望月衣塑子(もちづき・いそこ)/慶應義塾大学法学部卒。東京新聞社会部記者。千葉、神奈川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材。著書に『武器輸出と日本企業』など(写真:望月衣塑子さん提供)

 委員会採決省略の強行採決、実在した「怪文書」……。「安倍一強」のもと、自民党はなぜここまで傲慢になってしまったのか。その源流を「政・官の関係」「派閥弱体化」「小選挙区制」の現場で考察し、いかにして現在の一強体制が作られていったかを明らかにする。AERA 2017年6月26日号では自民党を大特集。加計学園問題にからむ記者会見で、菅官房長官を動揺させ話題となった、東京新聞の望月衣塑子に話を聞いた。

*  *  *
 なぜ、こんなに追及が甘いのだろう? テレビで菅義偉官房長官の記者会見を見て、もやもやとした歯がゆさを感じていました。私は加計学園問題の取材を進めるなかで、キーマンは菅官房長官ではないかと考え、発言を注視してきました。しかし、文書を「怪文書のたぐい」と切り捨て、「再調査は必要ない」と繰り返すばかり。記者も二の矢、三の矢の質問をしない。これでは政府は動くわけがないと危機感が募りました。

 私は政治部でなく、社会部の記者です。社会部で警察や検察の幹部とやりとりをしてきたなかで、執拗に質問しないと、肝心なことを答えないことを、身に染みて知っています。答えをはぐらかし、時にはウソもつかれます。

 官房長官会見での質問は1社あたり2、3問程度と低調な印象。番記者が官房長官を囲んで事実関係を確認する場もあり、記者は「後で聞けばいい」かもしれませんが、それでは国民に伝わりません。

 会見で、私は「再調査をしない理由」を繰り返しただしました。菅官房長官もはぐらかすのですが、「総理、官房長官が(再調査不要と)判断したのでは」という問いには「あり得ません」と語気を強め、「現役の文科省職員の証言はウソだと思うか」との質問には、「ウソだとは言っていない」と即座に言い返すなど、明らかな変化もありました。会見が短くなったり、質問は1社1問までと制限が厳しくなったりと、官邸の嫌がらせを危惧する番記者がいたかもしれません。各社の主張の違いはあっても、権力監視の観点では記者側は一枚岩になるべきです。

(構成/編集部・作田裕史)

AERA 2017年6月26日

あわせて読みたい

  • 菅氏がやり続けた東京新聞・望月衣塑子記者への露骨な嫌がらせは総理会見でも続くのか?

    菅氏がやり続けた東京新聞・望月衣塑子記者への露骨な嫌がらせは総理会見でも続くのか?

    dot.

    9/29

    日本はいま、「質問できない国」に陥っている。

    日本はいま、「質問できない国」に陥っている。

    週刊朝日

    9/6

  • 東京新聞・望月記者を恐れる官邸 いま政治取材の現場で起きている「異常事態」とは

    東京新聞・望月記者を恐れる官邸 いま政治取材の現場で起きている「異常事態」とは

    dot.

    7/3

    菅義偉、小泉進次郎、河野太郎… 「ポスト安倍」時代も続くメディアの危機

    菅義偉、小泉進次郎、河野太郎… 「ポスト安倍」時代も続くメディアの危機

    dot.

    9/12

  • 加計疑惑めぐる安倍官邸の抗議に東京新聞の望月記者が反論 

    加計疑惑めぐる安倍官邸の抗議に東京新聞の望月記者が反論 

    dot.

    9/9

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す