また、V字腹筋の姿勢で、重いボールを横に投げるという方法では、僕は左から右にはスムーズに投げられても、その反対がすごく難しい。左右のバランスの大事さにも気づき、弱点を少なくすることにも重点的に取り組んでいます。

 あれもこれもと詰め込まず、好きな音楽を流しながらリラックスして臨んでいるつもりですが、キツいメニューを3時間半ほど続けていると、「酸欠」になることもしばしば。そんな時には、ボクサーのような動きで思いのままに踊ってみたり(笑)、外に出てスパイクを履き、ボールを蹴って気分転換を図ってみたり、裸足で走るというような有酸素運動も取り入れたりしています。

「継続は力なり」という言葉を噛み締めながら、トレーニングを続けています。

(構成/藤原夕)

武藤嘉紀(むとう・よしのり)
1992年7月生まれ。東京都世田谷区出身。慶應義塾大学経済学部卒業。大学在籍時からFC東京でプレー。2014年にはJリーグで13得点、日本代表に選ばれた。翌15年、Jリーグファーストステージで10得点と活躍し、これを置き土産にドイツ・マインツへと移籍。1年目はリーグ7得点を挙げた。

AERA 2017年6月19日号