5月末の発売から2週間足らずで、100台を売り上げた。対象とするペットはと小型犬だが、猫の飼い主の購入が多いという。

●支出総額は月3千円

 システムインテグレーターのオープンストリームは、首輪につけた発信器とiPhoneアプリで猫の居場所を特定できる「ねこもに」(オープン価格)を6月19日に発売する。猫が身につける発信器は10グラムと軽く、1年間充電が不要だ。GPSではなくブルートゥースを利用することで、小型軽量化と低価格化を実現したという。

 猫の気持ちがわかるデバイスもある。首に装着した運動量センサーで、犬や猫の行動を解析し、活動記録とともに「動物のキモチ」としてスマホに表示する「しらせるアム」(アニコール)は、ベータ版先行販売の予約を受け付けている。

 こうした最新の猫グッズやサービスは便利だが、利用するほど飼い主の経済的負担は重くなる。それでもネコノミストの武井さんは、「猫は犬と比べれば、コストが少なくて済むこともメリット」と話す。ペットフード協会の調査結果を見ても、1カ月あたりの猫に関する支出総額(医療費などを含む)の中央値は3千円と意外に安い。

「今後、産業として伸びるのは、ペットと飼い主の『家族化』に対応する製品やサービスと考えられ、家族同様に出費を惜しまない人が増えてはいくでしょう。でも、そんなにお金をかけなくても愛情を持って関われば十分幸せな関係は築けます。猫との暮らしは意外にリーズナブルなんですよ」(武井さん)

(ライター・森田悦子)

AERA 2017年6月19日号