今年の東京レインボープライドでは日本たばこ産業(JT)も初めてブースを設置。和中悠子・多様化推進室長(右から2人目)は「私たちの周りにもLGBTはいると知ってもらい、アライを増やしていきたい」(撮影/今村拓馬)
今年の東京レインボープライドでは日本たばこ産業(JT)も初めてブースを設置。和中悠子・多様化推進室長(右から2人目)は「私たちの周りにもLGBTはいると知ってもらい、アライを増やしていきたい」(撮影/今村拓馬)
アンケートは東京都内(島嶼部のぞく)と全国の政令指定都市と道府県庁所在地の計104の自治体と首長と政策担当者に依頼。6月1日までに届いた回答をまとめた【東京都の自治体】53の自治体のうち47の自治体が回答(首長部46、行政部47)【その他の自治体】51の自治体のうち47の自治体が回答(首長部43、行政部47)【無回答】板橋区、立川市、町田市、国立市、日の出町、奥多摩町、秋田市、富山市、長崎市、宮崎市
アンケートは東京都内(島嶼部のぞく)と全国の政令指定都市と道府県庁所在地の計104の自治体と首長と政策担当者に依頼。6月1日までに届いた回答をまとめた
【東京都の自治体】53の自治体のうち47の自治体が回答(首長部46、行政部47)
【その他の自治体】51の自治体のうち47の自治体が回答(首長部43、行政部47)
【無回答】板橋区、立川市、町田市、国立市、日の出町、奥多摩町、秋田市、富山市、長崎市、宮崎市
アンケートは東京都内(島嶼部のぞく)と全国の政令指定都市と道府県庁所在地の計104の自治体と首長と政策担当者に依頼。6月1日までに届いた回答をまとめた【東京都の自治体】53の自治体のうち47の自治体が回答(首長部46、行政部47)【その他の自治体】51の自治体のうち47の自治体が回答(首長部43、行政部47)【無回答】板橋区、立川市、町田市、国立市、日の出町、奥多摩町、秋田市、富山市、長崎市、宮崎市
アンケートは東京都内(島嶼部のぞく)と全国の政令指定都市と道府県庁所在地の計104の自治体と首長と政策担当者に依頼。6月1日までに届いた回答をまとめた
【東京都の自治体】53の自治体のうち47の自治体が回答(首長部46、行政部47)
【その他の自治体】51の自治体のうち47の自治体が回答(首長部43、行政部47)
【無回答】板橋区、立川市、町田市、国立市、日の出町、奥多摩町、秋田市、富山市、長崎市、宮崎市
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【東京都の自治体】53の自治体のうち47の自治体が回答(首長部46、行政部47)
【その他の自治体】51の自治体のうち47の自治体が回答(首長部43、行政部47)
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 レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとってLGBT。性的マイノリティーを表すために生まれ、定着しつつある言葉だ。たしかに一定の理解は進んだ。だが、LGBTとひとくくりにすることで、塗りつぶされてしまった「個」や思いがあるのではないか。性的マジョリティー側は「わかったような気持ち」になっているだけではないのか。AERA6月12号の特集は「LGBTフレンドリーという幻想」。虹色の輝きの影で見落とされがちな、LGBTの現実に迫る。

【写真】各自治体の回答とは?全国首長アンケートの一部を公開

 東京五輪・パラリンピックに向けて試されるLGBT対応。日本はフレンドリーな国になれるのか。

*  *  *

 青空の下、虹色の旗が東京・渋谷の街にあふれた。5月7日にあった「東京レインボープライド」のパレードでは、LGBTの当事者や、「アライ(ALLY)」と呼ばれる理解者らが、LGBTの社会運動を象徴するレインボーフラッグを手に約3キロを行進した。

 今年で6回目のこのイベントは、スポンサー企業や参加団体数も年々増え、昨年の約1.5倍の約190にものぼった。

「LGBTフレンドリー」は企業ばかりでなく、地方自治体にも広がっている。パレードの舞台となった渋谷区では、2015年11月に同性カップルを夫婦と同じような「パートナー」として認める制度をスタートさせた。「条例」に基づき、住居の賃貸契約や病院での面会などの際に区内の事業者に配慮を求め、差別的な扱いがあった場合は区が是正勧告をした上で事業者名などを公表できる制度だ。

●多くは消極的で受け身

 自治体によるこうしたLGBT支援の取り組みは、13年9月に全国で初めて行政機関としてLGBT支援を宣言した大阪市淀川区が先鞭をつけた。同性間のパートナーシップを認める制度は、世田谷区も渋谷区と同日に導入し、「要綱」に基づき、同性カップルが提出したパートナーシップ宣誓書に受領証を交付している。16年には三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、那覇市、今年6月からは札幌市でも同様の制度が始まった。

 東京五輪・パラリンピックの開催まであと3年余り。五輪憲章には、「性的指向」による差別の禁止が謳われているが、一部の先駆的な自治体以外の意識や取り組みはどうなっているのだろうか。アエラでは、東京都内(島嶼(しょ)部のぞく)と全国の政令指定都市、道府県庁所在地の計104自治体の長と政策担当者にアンケートを実施し、94自治体から回答を得た。そこから見えたのは、LGBT支援について、消極的だったり受け身だったり、とても「フレンドリー」とは言えないお寒い状況だ。

 同性パートナーシップ制度の導入について自治体の長に尋ねたところ、「導入を検討している」は大津市長のみ。「住民から要望があれば検討したい」は11人いた。「導入しない」は5人。東京・稲城市長は、パートナーシップ制度を「個人の性生活について行政が証明することになると解釈するが、どのようにして市役所がそれを証明できるのか理解できない」という理由だった。「現在のところ取り組む考えはない」と回答した練馬区長は、「現実的な施策の効果が不明で現行法との整合など検証すべき課題がある」と、法的保障のない自治体ごとの制度について懐疑的な見方を示す。また、「国や県、他市の動向を注視している」(岐阜市長)という回答も多数あった。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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福井洋平

福井洋平

2001年朝日新聞社に入社。週刊朝日、青森総局、AERA、AERAムック教育、ジュニア編集部などを経て2023年「あさがくナビ」編集長に就任。「就活ニュースペーパー」で就活生の役に立つ情報を発信中。

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