夢を語って、転職の階段を昇る“起業から企業”へ転職のリアル

小野ヒデコAERA#仕事#企業#働き方#転職
 AERA5月22日号の大特集は「転職のリアル」。空前の人手不足もあって、転職はかつてよりもぐっと身近なものになってきた。転職の数だけ、人生ドラマがある。本誌で紹介しきれなかった、人生の転機を乗り越えてきた「達人」のインタビューをご紹介したい

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 スマホアプリ会社「Japan taxi」取締役CMO(マーケティング最高責任者)金高恩(キム・ゴオン)さん(40)は、学生時代、将来何をしていきたいかがまだはっきりしていませんでした。でも、「何をしている時が楽しいか」は明確でした。今まで8社経験してきましたが、環境が変わっても「働きたい人と働く」ことだけは貫いてきたつもりです。特に、その会社のトップがどういう人かを見て、働く会社を選びますね。 20代の頃はITバブル時代。2000年前半に米国で先行していた電子商取引(EC)サービス。サイバーエージェントから声がかかり、ネットプライスという会社をゼロから作り上げました。その後、もっとグローバルな視点で仕事をしたいと思い、ヤフーに転職しました。もともと勉強のためであり、長く勤めるつもりはない、という気持ちを汲んでくれたのが、当時の井上雅博社長でした。

 それまで関わった会社が大きくなっていく中、“いきがっていた”私に、父親が「仕事ができているのは、名刺にあるロゴのおかげだよ」と言いました。その一言で反骨精神に火が付き、30歳になる直前で独立しました。個人事業主になってもいろいろな人に出会い、事業の立ち上げや見直し、新しい業界やサービスで仕事する機会を得ました。

 IT畑で働いてきましたが、私自身はプログラミングやデザインはできません。ただ、それ以外ができるゼネラリストを目指してきました。起業した会社を共同創業者と共に退社する際、十数年関わってきたIT業界で得たノウハウを活かしたいと思い、次の活躍の場を「レガシー(老舗)業界×IT」にしたいと知人に話したところ、同じビジョンを持たれていた日本交通社長(当時、現会長)の川鍋一朗さんを紹介してもらい、入社に至りました。

 最初はIT業界しか知らなかったため、デジタル化されていないタクシー業界での商習慣に戸惑いましたね。現在は全国タクシーアプリを開発運用するJapan Taxiで取締役CMO(マーケティング最高責任者)を担当しています。

 今まで、その道のキーパーソンに出会ってきたという運の強さはあると思います。自分がしたいことや夢は出来る限りいろいろな人に話すので、もしかしたらそれがつながっているのかもしれません。

 キャリアプランは24歳の時にざっくり60歳までのものを思い描きました。20代は勉強の時間と決め、EC事業を軸に人に求められる人間になるのは何が必要かを学び、吸収しました。30代では、これまで得たものを使って仕事し、40代は今まで広げてきたものを次の世代へ伝えながら一緒にビジネスを創り上げていきたいと思っています。50代は、学ぶ意欲のある人をサポートできる人間になりたいたいと思います。(編集部・小野ヒデコ)

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